戸松有葉の ショートショート1001作を目指す旅

ショートショートとAmazon電子書籍販売・配布の活動をしています。

ノーマル(シリーズ外)

981 捨て猫に餌をやる不良がいい奴に見える心理

現実的ではない上、昨今は野良猫を放置しない自治体も多いことから、その光景を見かけることはないだろう。だが演出としてはよく知られている。実際に見かけなくとも、知識は持っているのではないだろうか。 ダンボールに入れられた捨て猫に、餌をやったり、…

980 異世界転生したのににゃんだよ!

吾輩は猫である。パロディではない。 いやこの冒頭な時点でパロディか。……まあどっちでもいい。とにかく、くそったれな状況だ。あのポンコツ女神め。 * 無能と怠惰を絵に描いたような就活生の俺は、人手不足で誰でもいいから来てくれと泣きつく企業が多い中…

979 猫の特性を宿す能力ッ!

日常が壊れたあの日から、少年は学校からの帰宅さえすんなりさせてもらえない。 今も人気のない路上で、敵の刺客が道を塞いでいた。 刺客の見た目は、背の低い中年だ。少年からすれば、普通に喧嘩すれば勝てそうである。しかし敵も少年と同様能力者、体格な…

978 遠泳が得意だから星の海も渡れる

「俺は遠泳が得意だから、星の海だって渡れる!」 大学の友人が力強く言った。「君のバカさ加減には同情を禁じ得ないけど、そんな話を僕に聞かせてどうしたいんだい」「俺は文系だからな、理系のお前なら知恵を貸してくれるだろうと思って」 確かに彼は文系…

977 自称ぼっちと海水浴

コミュニケーション障碍もなければ、特別人間嫌いでもない。彼女はぼっちの道を選んだだけである。 選んだというと、「本当は友達が欲しいのに出来なかったから強がっている」と思われるかもしれない。しかしそれは誤解だ。だいたい半分くらいは誤解だ。 彼…

976 海の向こう

彼は、海を初めて見た。 便宜上「彼」としているが、性別はないため、雄であるわけではない。ただ、彼を知るヒトは、しばしば「彼」と呼んではいたので、彼自身もそれを受け入れている感覚だ。 海の存在自体は知識としてインプットされている。しかし見るの…

972 音楽で事足りる

この時代、猫も杓子も、音楽を聴いていた。 人類は古代からそうだったといえばそうだが、昨今のものは事情が異なる。 音楽大勝利の時代に突入していたのだから。 * 文明が発達すると、世の中には様々な娯楽・芸術・実用技術が溢れた。音楽はその内の一つで…

970 死の宣告

着実に死へ近付いている音楽家があった。死神はその魂を回収する気なのだが、困ったことに、この音楽家のような才覚と実績を備えた者の魂は、扱いが難しい。端的にいえば、強いのだ。逆らわれでもしたら死神でも手こずる。しかしそうした魂こそ上玉であり、…

969 このクラスで一番要らない人間は誰か

このクラスで一番要らない人間は誰か――。 ある公立中学の教室で、この議題が話し合われていた。一度のホームルームでは時間が足りないため、連日続いている格好だ。 要らない人間認定されれば高確率でいじめの標的になる。お墨付きを得られたいじめほどやり…

897 天候を操る能力ッ!

日常が壊れたあの日から、少年は学校からの帰宅さえすんなりさせてもらえない。 今も人気のない路上で、敵の刺客が道を塞いでいた。 「お前、すげえ異能得たそうだが、使いこなせなきゃ意味ねえよなあ」 少年は能力に目覚めてから日が浅い。刺客のほうはそう…

ふさわしい動物名

ある時ナマケモノのもとに、一羽の鳥がやってきて尋ねた。「浮かない顔をして、どうしたんだい」「実は俺、人間に不名誉な名前を付けられて」 ナマケモノ。 「酷い! それならこっちも、人間に名前を付けてやろうじゃないか」 案は色々と出た。 うじ虫、寄生…

お客様のなかに

「お客様のなかに、お医者様はいらっしゃいませんか」 機内がざわつくなか、一人の男性が応じた。 客室乗務員は頬が緩み、しかし真剣な目で言った。「私と結婚してください」「喜んで」 婚約を済ませると早速、乗務員は次の人を探した。 「お客様のなかに、…

お茶も飲み過ぎれば死ぬ

「健康的とされるお茶だって、大量に飲めばカフェインの致死量に達して死ぬ!」 彼は力説していた。 僕はその知識を持っていたので、何の驚きもない。 でも彼が続けた言葉には、多少驚きを覚えた。「だから俺が、お茶を飲み過ぎたら死ぬことを証明してみせる…

なろうユーザー失格

※本作は、「小説家になろう」時代に、ユーザー間で通じる内輪ネタとして投稿したものです。が、作者自身が気に入っており面白いので、こちらでも掲載することにしました。本ブログで1001作を目指すSSの数にはカウントしません。 +++ 恥の多いなろう人…

703 着信音を鳴いた

※一旦ボツにしたものからサルベージしてきたものです。※「小説家になろう」時代に、はてなユーザでもある、くにさきたすくさんの二次創作フリー宣言を受けて創作したものです。 ショートショート+ ショートショート+ 【タイトル】着信音を鳴いた 【本文】 …