五十円の女神様
病院エッセイの、眼科通院です。ずっと片目見えません。前回治るのに四ヶ月ほどかかったのですが、それだけ過ぎても治りません。手術すれば強制的に治せるものの、一生残る後遺症その他があるため、あとぶっちゃけ手術代がやばいため、基本自然治癒まで手術同意しないでおこうと考えていました。
こんな入り方をしているということは、できない何かがあったってことですねー。あはは。笑えねえ!
さていつも通り眼科へ行くと、今回は早めだったのか検査も早く開始。しかし、おや? 「目痛くないですか?」と尋ねられたり、いつもはする検査をしなかったりと、勝手が違う。
そうして診察。
眼圧がとても高くなっていて、目の痛みや頭痛吐き気などの症状が出ていておかしくないレベルだったそうです。数日前に少し痛いかな程度の自覚はありましたが、驚きですよ。そんなことになっていたなんて。
この状態続くと神経潰れるらしい(これって失明ですよね)し、その前に手術しないといけない。とりあえず眼圧下げる試みから始めて、またすぐ病院ということになりました。
なんてことだ。失明の危機再びかよ。
ところで話はまったく変わりますが、検査では暗がりの部屋で二人きりという状況がよくあります。その際、これまでされたことのない指示をされました。
「……目を瞑って」
な、何を、と思いつつ素直に従うと、唇に少し触れて、ああ、これはいったい――
まあ相手男だけどね。あとマスクだけどね当たってたの。
でもなんで目瞑れって言われたんだろう。瞬きして、とかならよくあるんだけど、
そんな面白エピソードをぶっ飛ばしてくれる結果を残し、いつものように薬局に行って、薬待ち時間に財布確認すると……あれ、おかしいぞ! 病院の自動精算機でもらったはずのお釣りが、五十円足りない!
なんということだ。五十円なんて安い本一冊売れても全然届かないほど高額なのに!(最近このような計算の仕方をするようになった。みんな本買ってね)
意気消沈しつつ会計を済ませていたその時、奇跡は起きました。
かつてリボンさんと呼んでいた、今では仕事も慣れてリボンもしなくなっている方(当然美少女)が、「五十円落ちてました」と差し出してくれたのです。
助かった。ちょうど会計も五十円あればぴったりで払えたことですしね。
いやあ、いい一日だったなあ。
大事なことを忘れている気がするけど、もう考えるの嫌だ。