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戸松有葉の ショートショート1001作を目指す旅

ショートショートとAmazon電子書籍販売・配布の活動をしています。

965 最強の剣(140文字小説)

剣は消耗品だ。すぐ補充が必要になる。そこで技術班は、絶対に折れず刃こぼれもしない剣を開発して、支給した。そのような頑丈な剣は、攻撃力という面でも優秀だ。 扱う兵士らは戦場で活躍し……たが、 「そんな性質持たせられるなら防具にしてくれれば無敵だ…

964 鉄道好きの子供が何か言っていて邪魔だ

別段、正義感溢れる青年ではなかったという。今の時代、どういった青年を標準とすればいいかわからないが、普通の青年だったというのが周囲の評価だった。 その彼が、遮断器の降りた踏切内にいる高齢者を助け、自らは命を失ってしまった。 この件に絡み、世…

963 誇大広告禁止

よく耳にする、広告文句。 この映画に、全米が泣いた、震撼した――。 有名俳優が起用され制作費も膨大で、実際ヒットもしていることは、誰も否定しない事実だ。しかしながらこうした広告文句については、嘘と断じる他ない。 日本のような国ならまだしも、アメ…

962 俺を殺した奴が次の俺

勝ったほうが正義だというほど世は単純ではないが、負けたほうが正義を主張できないのは確かだ。 この意味で、俺は常に正義を主張できる側にいられた。常に勝者だったからだ。 何故なのか。運が良かったからでも、才覚を持って生まれたからでもない。俺の特…

961 スイーツ脳作家

斬新なアイデア・作風で文筆作品を発表し続ける作家がいた。現在、齢七十であるが、どの時代でも新進気鋭かのようで、他のベテラン作家や個性派作家と一線を画す存在だった。 そんな作家だと格好の取材の的になる。 ある記者も数年前から継続してこの作家を…

960 子供の選択

綺麗なショーケース。女の子は呆けそうになりながら、そのショーケースを眺めていた。無論、ショーケースそのものを綺麗だからと眺めているのではない。 陳列されている、数々のスイーツに目を奪われているのだ。 「欲しいの、選びなさい」 女の子は、同行し…

959 スイーツプリンス

情報が出始めると、女性オタクは怒りさえ持って叩いた。このスイーツプリンスプロジェクトの資本は、これまで彼女らが既存コンテンツに「貢いで」きたものだ。その金で次は何をしてくれるのかと期待していたら、とんだ期待外れだったのである。 直接のターゲ…

958 玄武だった

目の前の圧倒的な存在に、言葉どころか、声すら出せなかった。 浦島太郎は思い知る。食物連鎖の頂点に立つ人間、しかしその実、道具と集団を失えば非力な動物であり、捕食される対象に過ぎないという現実を……。 玄武は別に人間食べないが。 「助けてくれてあ…

957 浦島太郎は語りたい

その海辺の小さな村に、他所者が訪れるのは珍しいことだった。あったとしても、海産物と取引するための商人くらいであり、それら商人も見知った者ばかりだ。 だから見知らぬ人、それも老人が訪れたことは、村人たちにとってちょっとしたニュースだった。 老…

956 恋が与えるのは(140文字小説)

(ああ、王子様!) 亀は、海辺で暴漢から助けてくれた浦島太郎に惚れ、恩返しに竜宮城へと案内した。 浦島は幸福に過ごし、亀も満足だったのだが、浦島と乙姫の様子で、ふと悟る。(これ、寝取られじゃん!) 浦島に帰る気はなかったのだが、亀は玉手箱を持…

955 電車に出会いを求めるのは間違っているだろうか(140文字小説)

無茶な痴漢冤罪が蔓延する中、本物の痴漢は減っていない。そんな被害女性を颯爽と助ける男……王道な出会いではないか。俺は機会に備え、電車に乗っていた。 すると早速痴漢が。「やめろ! やめないと、私がお前に痴漢に遭ったと通報する!」 痴漢に遭っている…

954 新しい刑罰

電車の座席に腰掛けると、ここまで男を連れてきた者たちは立ち去ってしまった。 久しぶりに拘束具も檻もなく、自由に動ける。とはいえ、車内限定だ。電車の扉は閉められ、すでに動き出しているのだから。 電車内にはその男一人しかいない。一人というのは本…

953 彼は悪くない

サッカーでは、時間内に決着がつかなかった場合、PK戦で強引にでも勝敗を決める。強引だ。これまでの競技とは離れていると言っても過言ではないミニゲームで、勝敗が決まってしまうのだから。PK戦は心理戦やゴールキーパーの腕が影響するとしても、トー…

952 大石内蔵助の疑問

大石ら赤穂浪士に踏み込まれ、刀を向けられている吉良は、黙っていられなかった。「おのれ貴様ら、狂ったか! 主君が殺し損じたから代わりに完遂する……それが貴様らの忠義だとしても、主君の無念を晴らすには、より優先すべき相手がいるだろう。被害者の私を…

951 トラックに轢かれれば異世界へ

「大型トラックに轢かれれば、死ぬ!」 彼は力説している。 僕も死亡の可能性は同意でき、反論もないので、落ち着いて黙っていられた。しかし彼が続けた言葉には多少驚きを覚えた。「そうすれば異世界に行けることを、俺自身で証明してみせる!」「君のバカ…

950 魔法少女

「あなたたちももう中学三年生なのだから、くだらないことばかり話していないで、自分の進路を考えなさい」 女性教師が、中学生の集まりを一喝し、散らせる。 生徒たちは不満だ。別に授業中だったわけでもなく、教室内で少人数が集まって話すくらい迷惑にな…

949 白い理由

その男子高校生は、女子生徒たちに羨ましがられていた。 肌が白かったからだ。 しかも男子は野外競技の運動部員であり、逆に黒くてもおかしくない、黒いのが自然だ。だから色白であることに理由があるのではないかと、女子たちは思うのだった。(って言われ…

948 登下校は安全第一で

その小学校では自転車での登下校が許されていた。もちろん児童の安全は第一に考えられている。ヘルメットの着用は義務付けられており、一%の違反もないほど守られていた。 しかしある時、児童が転倒により頭部を怪我した。幸い命に別状はなかったが重傷であ…

947 金の奴隷解放宣言(140文字小説)

あるお笑い芸人が、金の奴隷解放宣言を行なった。 「国民餓死させて核開発とか糞だせえ!」 彼は単身その独裁国家へ乗り込むと、体制を崩壊させた。難民など諸問題はあっても、英雄に違いない。 ただ一つ苦言を呈され続けたのは、彼は宣言前も後も、笑いを取…

946 真の友(140文字小説)

彼はサッカー部のエースでリア充だったが、怪我での引退を機に、周りに人がいなくなった。 たった一人の同級生を除いて。 卒業式の日、感謝の意とこれからも友でいてくれるよう伝えると、 「は? サッカー部の頃からお前に何の価値も見出してなかったから、…

945 徒歩移動に疑問を抱いた勇者

魔王を討とうという勇者でも、初めの内は、レベルも低く所持金や装備も心許ないものだ。 移動手段も、馬車や船などまだ先の話。魔法も然り。当分は徒歩での移動となる。 ……のだが、ある時勇者は気付いてしまった。「自転車使ったほうが便利じゃね?」 モンス…

944 女性が輝く時代へ(140文字小説)

二十一世紀初頭、日本はようやく本腰を入れて、女性が輝く時代を目指した。 しかし日本は資源が乏しく、輝かせるための電力が不足している。やむなく女性本人に輝き分を発電してもらうことになった。 自転車で。 自転車漕ぐのに手一杯で、仕事も子育てもでき…

時空モノガタリのコンテスト入賞について

初めて入賞した際、このブログで喜びを爆発させていたのですが、その後の入賞については何も触れていませんでした。今思い付いたので報告を。 その後、現時点までで二度入賞しています。計三回の入賞。(予選通過回数は数えていないのでわかりません。予選通…

943 自警団

正義を気取っている彼らこそ、彼らに殺される対象の悪ではないか――。 その「自警団」が人々に認識されてから、こうした批判・皮肉・非難はあった。テレビや新聞のような一方通行メディアだけでなく、インターネットでの個人からも同様に指摘されている。 初…

942 歌舞伎蝶(140文字小説)

新宿に現れるという、歌舞伎蝶。 無害な蝶ではない。例えばその鱗粉は魅了効果を持ち、被害者は蝶という昆虫に大金を貢いでしまうという。 国も対策を練り、駆除しようと試みていたのだが……、被害者の大半は喜んでおり被害を訴えず、金使うので経済が潤うた…

941 異世界バトルを新宿で

バルクの剣を退けた魔王ザンギは、高笑いする。 「七勇者も報われぬな! お前のような出来損ないに力を託したとは。アハハ!」 「やはり俺では駄目なのか」 七人の勇者がその命を絞り出して力を吹き込んだ聖剣。しかし、勇者の家系でもなければ特別な才能も…

KDP作家の如月恭介さんがアカウント強制削除された件で、Amazonに意見送りました。(追記あり)

タイトル通りです。以下メール。 * 私もKDPを中心に活動しているので、他人事ではないと思い、如月恭介さんのアカウントが強制削除された件について意見を送らせていただきます。なお、ご本人の談は以下のブログにあります。 如月恭介ブログ: 電子書籍関連 …

897 天候を操る能力ッ!

日常が壊れたあの日から、少年は学校からの帰宅さえすんなりさせてもらえない。 今も人気のない路上で、敵の刺客が道を塞いでいた。 「お前、すげえ異能得たそうだが、使いこなせなきゃ意味ねえよなあ」 少年は能力に目覚めてから日が浅い。刺客のほうはそう…

最近新作投稿してない件について

すみません、ここ最近新作ショートショートを投稿していません。 ひとつには、以前断り入れたように「電子書籍化の都合などで、非公開にした&最初から公開しないものがある」こと。 そしてひとつには、新作を書いてない(余裕がない)ことがあります。 ショ…

ふさわしい動物名

ある時ナマケモノのもとに、一羽の鳥がやってきて尋ねた。「浮かない顔をして、どうしたんだい」「実は俺、人間に不名誉な名前を付けられて」 ナマケモノ。 「酷い! それならこっちも、人間に名前を付けてやろうじゃないか」 案は色々と出た。 うじ虫、寄生…

お客様のなかに

「お客様のなかに、お医者様はいらっしゃいませんか」 機内がざわつくなか、一人の男性が応じた。 客室乗務員は頬が緩み、しかし真剣な目で言った。「私と結婚してください」「喜んで」 婚約を済ませると早速、乗務員は次の人を探した。 「お客様のなかに、…

自覚的な裸の王様(200文字)

王は美しい服を求めて、何度も作り直しを命じていたのだが、どうしても気に入るものが出来上がらなかった。「服では美しい私を際立たせることは不可能なのだ」 そう結論した王は、自らの肉体を美しくすることに努めた。徹底的に虐め抜き、鍛え上げる。完璧な…

鏡が頑なな理由

妃は鏡に問う。「鏡よ鏡、この世で最も美しいのは誰?」『それはお妃様です』 その答えに妃は満足……したりはせず、静かに席を立つと、ある物を持って戻ってきた。「違うでしょ!」 言いながら、紙製のハリセンで軽く叩いた。鏡なので割るわけにはいかない。…

異性なんて星の数ほど(140文字小説)

友人が失恋した。面倒だが慰めるために言う。「女なんて星の数ほどいるんだから」「星は多くても、全部遠いだろ! 彼女は俺の太陽だったんだ!」 酒をあおる友人。面倒ではあったが、ここは友のためだ、本腰を入れて悟らせてやろう。 肩を強く掴むように叩き…

お茶も飲み過ぎれば死ぬ

「健康的とされるお茶だって、大量に飲めばカフェインの致死量に達して死ぬ!」 彼は力説していた。 僕はその知識を持っていたので、何の驚きもない。 でも彼が続けた言葉には、多少驚きを覚えた。「だから俺が、お茶を飲み過ぎたら死ぬことを証明してみせる…

妹と糸電話(140文字小説)

小五の妹が自宅で糸電話を作っていた。紙コップとタコ糸のシンプルなもの。 しかし友達は来ていないようだが……、まさか俺が相手させられるのか? 恥ずかしいわ、無理言うな。「あ、お兄ちゃん、ちょうどよかった。これ糸電話なんだけど、片方、アメリカまで…

妹とリモコン

小学五年生の妹が、リモコンを片手に、首を傾げて言った。「これって何のリモコンだっけ?」 俺もよくある。どれがどのリモコンかわからなくなるんだよなー。「使ってみればわかるだろ」 ボタンをしばらく押して試していると、DVDのリモコンだと判明した…

雷がこわい妹(200文字)

うちの妹は昔から雷が怖い。 以前はよく、泣きながら俺のベッドに潜り込んできていた。 そんな妹も小学五年生ともなると成長するらしい。 今日は雷の音も一段と大きかった。頻度も高い。「お兄ちゃん」 夜、俺の部屋に来た妹。だが以前とは違う。「か、雷の…

電子書籍化に伴い

電子書籍化に伴い、新しい作はすべて非公開にしました。電子書籍販売になったらまた案内します。なお、過去に電子書籍になっているものもすべて非公開ですので、ご了承くださいm(__)m

ショートショート作数カウントが飛び飛びになっている件

現在(正確にはもっと前からなのですが)ショートショート作数の番号が飛び飛びになっています。非公開条件の公募作や後の電子書籍化に向けて非公開にしたほうがいいかなと判断したものがあるからです。今後も、同様にブログでは公開しないショートショート…

五十円の女神様

病院エッセイの、眼科通院です。ずっと片目見えません。前回治るのに四ヶ月ほどかかったのですが、それだけ過ぎても治りません。手術すれば強制的に治せるものの、一生残る後遺症その他があるため、あとぶっちゃけ手術代がやばいため、基本自然治癒まで手術…

ブログ統廃合のお知らせ

本ブログの他に、ふたつブログを持っていましたが、本ブログに統合します。「病院が割と面白いので体験談書いてみた」については最低限の記事をこちらに引越して、「長編短編エッセイ置き場」については、電子書籍があるのでそのまま廃止します。(そもそも…

カットした部分&第一部の整理

病院が割と面白いので体験談書いてみた: 第一部天使降臨編 作者: 戸松有葉 発売日: 2015/02/09 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 第一部天使降臨編は、「小説家になろう」時代からは別物というほど改稿して、大幅に削筆もしているのですが、今…

病院エッセイあらましを書いておいた

以下、「小説家になろう」からこのブログに来るまでの、概要。病院エッセイに書かれていなかったことやがっつり無視した部分もありますが、ともかくこれで合っています。 ・かつて警察から一年以上に渡る迷惑を被り、精神薬を手放せなくなっていた。なお、自…

時空モノガタリ(ショートショートコンテスト)入賞しました。

いやっったーーー!!! 時空モノガタリ入賞した! 選考者様ありがとう、時空モノガタリのこと知るきっかけになった「電子ショートショート作家」さん、ありがとう! ていうかツイッターにかまけて次の賞の全然進んでない。くっ、道を誤ったか! と、ついさ…

2ch盗作晒しスレをまた扱ってやるよ、喜べ

他人の足を引っ張るしか能のないクズどものたまり場、ヲチスレ。 小説家になろう時代にも、なろう盗作スレをネタにし返していたが、いつの間にやら俺が「殿堂入り」のテンプレ入りまで果たしていて、扱いたくてたまらなくなったので、改めてネタにしたい。そ…

なろうユーザー失格

※本作は、「小説家になろう」時代に、ユーザー間で通じる内輪ネタとして投稿したものです。が、作者自身が気に入っており面白いので、こちらでも掲載することにしました。本ブログで1001作を目指すSSの数にはカウントしません。 +++ 恥の多いなろう人…

703 着信音を鳴いた

※一旦ボツにしたものからサルベージしてきたものです。※「小説家になろう」時代に、はてなユーザでもある、くにさきたすくさんの二次創作フリー宣言を受けて創作したものです。 ショートショート+ ショートショート+ 【タイトル】着信音を鳴いた 【本文】 …

ショートショート移行完了のおしらせ

「小説家になろう」で投稿済みだったもの+少しのショートショートは、掲載し終わりました。今後の投稿は新作となります。 なろう時には1100作ほどあったものが、現在、688作にまで減っています。ブログ名の通り、改めて1001作を目指しますので、…

200文字小説掲載開始!

小説投稿サイト「小説家になろう」では、余白なしで200文字以上ないと、投稿ができません。そこで生まれたのが、200文字ぴったりにした、200文字小説です。 筆者の200文字小説は、基本的に物語になっており、文章による描写の綺麗さや詩ではあり…